2019/03/07
袖野玲子教授が廃棄物資源循環学会において論文賞を受賞
袖野玲子教授が廃棄物資源循環学会において論文賞を受賞しました
【受賞者】袖野 玲子 教授(環境システム学科)
【学会・大会名(正式名称)】廃棄物資源循環学会
【賞名】論文賞
【発表題目】水俣条約による日本の水銀マテリアルフローへの影響と将来推計
2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」を受け、従来有価物であった水銀が廃棄物化する事態が将来想定され、処分体制の整備にあたり、回収水銀量の見通しを把握することは喫緊の課題である。このため、条約による国内水銀マテリアルフローへの影響、及び条約を踏まえた水銀管理政策の効果を検証した上で、長期的に環境上適正な水銀管理に資するよう、水銀フローの将来見通しを示すことを目的とした。
条約による国内水銀マテリアルフローへの影響を踏まえ、主要排出源である工業過程と水銀使用廃製品からの水銀排出量を2010年度から2050年度まで推計し、大気、廃棄物 (埋立処分)、水銀回収への排出量を算出するとともに 、水銀管理政策による効果を定量的に評価した。
水銀廃棄物の処分に向けた法制度は整備されたが、水銀の安定化技術は新しく、水銀処理物の超長期にわたる安定性については、今後も検証が必要である。また、処理体制においても万が一の水銀溶出に備えた入念的な対応が求められることから、有害廃棄物の長期管理に向けた新たな社会システムについて研究を進めていく。