分野横断型とπ型スキル
二つの系と専門分野が紡ぐ環境システム
21世紀は世界経済が一瞬にして不況になる激動の時代であり、AIやロボットの普及など技術の著しい進歩によって、現在安定した職業も10年後には消滅しているかもしれない先の見えない時代です。
このような時代を生き抜くには、1つの分野だけでなく、複数分野の専門知識を有していることが求められます。また、将来どんな職種に就こうとも応用が利くよう、「課題発見力」「構想力」「協働力」「統率力」などの社会人基礎力を身につけていることが必要です。
私たち環境システム学科は、芝浦工業大学の建学の理念「社会に学び社会に貢献する実践的技術者の育成」にのっとり、設計・構造・施工などの建築系、プランニング・土地利用・防災などの都市・地域系、およびこれらを包含するエネルギー・資源・国際開発工学などの環境システムなど複数の専門分野を用意しています。これらの専門分野を縦糸に、学部で学ぶシステム工学教育を横糸とし、繊細な織物を紡ぐようにこれらを組み合わせて学ぶことで、時代の変化に適応できる知識やスキルを身につけることができます。
π型スキルを育てる分野横断的学び
社会や組織活動の成果向上に向けた人材開発では、人に備わる知識、技術、技能のあり方を、I 、T、πの記号で比喩的に表すことがあります。I型は特定の分野を究めた深い知見と経験をもつスペシャリストで、T型は一つの分野に加えて幅広く他分野にも通じた能力を有する人材です。横棒が視野の広さ、縦棒が専門性を表しています。そしてπ型は二つ以上の専門性を有する人材です。環境システム学科では、「π」の横棒はインターアクティブな協創活動(D:デザイン思考)による分野横断的な問題解決(s:システム思考)とし、縦棒の一つは持続可能なまちを実現する環境創生技術(G:グリーンインフラ・エンジニアリング)を中心とした専門性(主軸)と捉え、もう一つが主軸を社会においてより確かに援用するためのさらなる専門性(副軸)と捉えます。地域・社会の課題解決に貢献する動機と意欲(S:サービスラーニング)を「π型スキル」に植え付けることで、多様な社会ニーズに応えられる創造的な人材を輩出します。