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2021/02/20

2020年度_SDGsの目標達成を掲げ地域課題を解決する授業を実施 〜COVID-19禍の実践と成果〜

2020年度後期も、COVID-19が吹き荒れる中、環境システム学科3年生の講義「環境システム応用演習A/B」を実施しました。この科目は、本年度で4回目を数えます。SDGs17のゴール(開発目標)を実現するべく、学生が以下の10の地域に出向き、地域・社会問題解決を図るPBL(Project Based Learning)を必修授業として実践するもので、学科全体で取り組む名物授業です。

コロナ禍で実施された今年度は、一都3県(埼玉、茨城、千葉)に渡る10の地域を対象とし、行政、NPO法人、教育機関、自治会、地元企業、地域住民などにご協力いただきました。各チーム、災害復興、地方創生、少子高齢化、交通問題、防災問題、環境エネルギー問題など、地域毎に固有の課題が抽出され、SDGs開発目標の複数課題解決に向けた独自のテーマを見出し、個性的な解決策を提案しました。地域関係者からは、「住民では気づけないアイディアがあった」「CGなどの空間表現がリアルで驚いた」「検討すべき課題がわかった」などの意見や、「実現性、具体性に乏しい」「当事者意識がない」「計画の必要性がみえない」などの辛口の意見もあり、学生諸君を大いに刺激し、今後の研究活動の方向性を確認し合いました。一様に、コロナ禍での厳しいコミュニケーション環境での成果達成には称賛の声が上がったことが特筆されます。

 

【2020年度の対象地域】

千葉県香取市佐原地区

東京都北区赤羽岩淵地区

埼玉県さいたま市岩槻駅周辺地区

茨城県つくば市研究学園地区

埼玉県川越市南古谷駅周辺地区

埼玉県さいたま市大宮区大宮駅東口地区

東京都新宿区神楽坂地区

埼玉県久喜市鷲宮団地

埼玉県熊谷市熊谷駅前――熊谷ラグビー場周辺地区

東京都墨田区曳舟駅周辺地区

 

▲左:感染防止ガイドラインの設定と遵守で実施した地域調査(オンライン上での地域との協議)、右:3週間に1回の対面型授業

▲チーム中間報告会(11/9)とチーム最終発表・講評会(12/21)はZoom上で地域関係者を交えて開催

▲分野別個人発表・講評会は、Zoomと対面型を交えて開催

 

【学修成果の事例―埼玉県久喜市鷲宮団地】

10地域10チームの研究成果は、シラバス到達目標項目によって多元的なマトリックス評価表をベースに、全教員採点、学生間相互評価によって順位付けられました。最優秀賞は、久喜市鷲宮団地(UR都市機構)を対象としたプロジェクトです。地域の弱みの「水害」を対策しつつ、「水」を将来ビジョンの魅力に変換する地域デザインを多角的に示した。5つのテーマ「新拠点×コミュニティ、団地×リニューアル、New団地×Newライフ、貯水池×憩い、自然×バイタリティ」を掲げた建築・地域デザインは、住民・自治会・商店組合の自主的運営などの事業形態から、子供環境教育、高齢者生活ケアにまで言及し、「鷲宮らしさを活かした持続可能なみずのまち」を魅力的にプレゼンテーションしました。

 

システム工学手法、GIS、RESASによる多角的な地域調査・分析から、少子高齢化、団地内活動の弱体化、老朽化、水害などの課題を抽出しテーマを見出した