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2023/03/04

建築・都市設計系4年生による最後の戦い。設計系学外コンテスト選考会2022

環境システム学科学部4年生による総合研究の最終発表会から一週間。

建築・都市設計系の学生の有志たちは、自身の提案にさらなる磨きをかけ、学外の展示会への出場権をかけた模型とパネルによる選考会にのぞみました。学科のある5号館5階5561教室と斎藤記念館2階7202教室のという大宮キャンパス内の2会場で学生たちは作業し、展示しました。

 

写真は選考会直前の緊張感高まる斎藤記念館2階7202教室の様子

 

選考会当日。

環境システム学科の建築・都市設計系教員5名(澤田、鈴木、松下、田口、山嵜)が学生たちの作品を巡回し、最後の質疑応答を行いました。その後、採点を集計した結果、学外への展覧会などへの出場権の選考結果が発表されました(※)。

そこで、この学科サイトでは、
当日の選考会やその直前の様子として、主役である学部4年生の声と、その手伝いをした下級生(学部3年生、2年生、1年生)の声を拾ってみました。

総合研究の主役である学部4年生たちの声
「お手伝いをたくさん集めすぎてパニックになった」
「作業量が多くて困りました。図面、モデリング、模型制作などお手伝いに丸投げしていました(任せるチカラ!)」
「模型材料の買い出しもお手伝いに一緒に行ってもらい決めてもらいました」
「最後になってわかってきた(なにが?!)。もう少し時間があれば、、、」
「残された時間の中で、終わらせることだけを考えてスケジュールを組みました」

お手伝いした後輩たちの声
「こんなことが、来年にできるのか不安になった」
「繰り返し模型部材を切り出す没頭の時間が楽しかった」
「間に合わなそうなので、同級生に声をかけて手伝ってもらいました(自分の課題のように考えてくれる優秀なお手伝い!)」
「今回は手伝いだったが、これからは自分の課題を模型で作ってみたくなった」
「もっと早い段階から手伝って、構想がどのようなプロセスを得たのか知りたかった」

常に他者との協働するリテラシーを身に着けるのも、環境システム学科だからこそ。総合研究を通して任せる、手伝うなどのコミュニケーションが学びの場になったようです。

悲喜交々の選考結果発表を終えた会場の5561教室は、学生たちも解散し、審査会直前までの殺気立った熱気が嘘のようです。

そんな静まり返った教室では、
気を抜くことなく、次なるステージへの作業をお手伝いの後輩に淡々と指示する学生(タフです)。

椅子の寝床からムクリと起き上がり、何事かつぶやき再び横たわる学生(夢の中でも完成したか)。

泣き疲れて机に突っ伏して寝る学生(終わらない不安で泣き、終わった安心で泣き)。

3つ椅子を並べた寝床から床に落下し、悲鳴と共に腰をしたたかに打ち付け、悶絶する学生(椅子で寝る経験が足りてない)

などなど。

環境システム学科の建築・都市設計系は学部の4年間だけでもいくつもの壁を乗り越えて、次なるステージへと向かいます。

学生の皆さん、お疲れさま。


(※)学外の展覧会、賞などへの入賞者、参加者一覧

★レモン展賞1点(建築模型材料・画材・文房具専門店レモン画翠が主催する「学生建築設計優秀作品展(通称:レモン展)」への出場権獲得)
勝浦真帆(澤田・山嵜研究室):Re:PAINT ―東京湾の表情〈生業⇆工業〉を継承・更新する物語―

★近代建築賞1点(建築専門誌「近代建築」が特集する「別冊:全国大学建築系学科卒業設計優秀作品集」への掲載権獲得)
小出彩加(澤田・山嵜研究室):さいたま新“農”心 ―生産と消費の新たなつながり―

★日本建築学会賞1点(日本建築学会が主催する「卒業設計展示会」への出場権獲得)
伊藤貴哉(澤田・山嵜研究室):涵養的建築 ―おおたかの森における風土とふるまいの再構築―

 

★日本インテリア賞1点(日本インテリア学会が主催する「卒業作品展」」への出場権獲得)
胡井涼(松下研究室):音楽を通した廃校活用と街の魅力発信 ~五番町小学校を例として~

 

★さいたま建築賞3点(埼玉建築設計監理協会が主催する「卒業設計コンクール」への出場権獲得)
今泉友希(澤田・山嵜研究室):ヤネが織りなす意識の拡張 ー草加の核となる生活ケア拠点ー
清水翔斗(澤田・山嵜研究室):シェアする新たな生活のカタチ
冨永典子(澤田・山嵜研究室):庵(IORI) -Nurture a Once-in-a-Lifetime Relationship-

以下、選考会などの様子を写真に。

↑ 5号館5階の5561教室での選考会直前、模型制作最終段階の様子。雑然としています。

 

↑ 先輩のために身を粉にして黙々と作業してくれるお手伝いの後輩君。

 

↑ ガガガガ、ガガガガ、と段ボールを太いカッターナイフで切断する音。殺気立っております。声がかけられません。

 

↑ 皆で一つの模型を作り上げる美しきチームワーク。

 

↑ 模型制作は他の部屋でも行われていました。こちらはゼミ室で楽しげに作業するチーム。

 

↑ もう一つの会場である斎藤記念館2階7202教室でも学生たちは作業をしております。

 

↑ 選考会1時間前。「先生、わかってきました!」との名言が出ました。

 

 

↑ 男子ふたりのお手伝いが先輩の模型を作り上げます。キャップを後ろ向きに被ったら本気のサイン。

 

↑ 模型の横に常備されるバターロール、バナナ。適切な食料補給は持続可能な模型制作に不可欠です。

 

↑ 選考会の様子。大地が隆起して建築と一体化した五感に訴えかける提案。ダイナミックな形態です。

 

↑ 選考会の様子。ラグビーの街、熊谷を盛り上げる施設。平面形状はラグビーボールからインスパイアされたとか。

 

↑ 選考会の様子。サブカルの街、下北沢を舞台に新しい文化を作る施設。周囲の街並みに溶け込むような繊細なスケール感。

 

↑ 選考会の様子。こちらもシモキタを舞台にした提案。興味ある街、面白い街を敷地に扱うと意外と難しい。しかし、近未来を思わせる建築形態はシモキタにふさわしいかも。

 

↑ 選考会の様子。エキナカ全盛時代に乗り換える時間と場所に価値を見出した東京・秋津の提案。自転車のスロープが施設間を縦横無尽に巡ります。見る角度で様々な表情を見せる不思議な建築。

 

↑ 選考会の様子。若者に農業への意識を育てる東京・立川の施設。模型の素材まできちんと選び、オーガニック感が出ています。

 

↑ 選考会の様子。屋根の連なりが特徴的な埼玉・草加の生活ケア施設。様々な建材の屋根からの降り注ぐ光にきっと癒される空間となることでしょう。

 

↑ 選考会の様子。廃校になってしまった母校の音楽隊の奏でる音を建築化させ、まちのシンボルとして再生させる提案。

 

↑ 選考会の様子。こちらは東京・大森の海苔と工場の風景を再現させる大作。海苔養殖とガス工場という昭和時代の抱えるジレンマを建築化しました。

 

↑ 選考会の様子。西東京市のベッドタウンで生き方を見直す、自分と向き合うための茶室を中心とした提案。

 

↑ 選考会の様子。母親に優しい街・流山の沼地を舞台に、まちの未来と新しい魅力を見出す提案。水の涵養をテーマにした作品。

 

↑ 選考会の様子。さいたま新都心を敷地とし、地面とそこから天空へと続く農地を纏う高層オフィスビルの提案。

 

↑ 選考会後にも保管・運搬用箱の制作が待っています。この箱を作るまでが模型制作です。

 

↑ 選考会後の集合写真。主役である4年生12人を後輩と教員で囲みました(他にも選考会に参加叶わなかった多くの後輩たちの手伝いがあって完成したとのことです)。

 

以上。